東京で初めてとなるソロリサイタルのお知らせです。
見ての通りどっしりとしたプログラムになっております。
今回の目玉はまず、ヒンデミットです。
ピアノとソプラノのために書かれたこの曲は、けっこうマニアックなのですがマルティン・ルターのマタイ福音書の文面がラテン語で詩に使われています。
グラーツでオラトリオを習っていたRobert Heimann教授が教えてくれた曲です。Heimann先生は新しい曲を選んでくれるとき、彼の素晴らしいピアノと美声で音楽の総括をまず実演してくれるのですが、
この曲を聞いたとき、私は目をかっぴらいて楽譜を追いながら、心はギンギンになっていました。そして10分弱のその演奏が終わった後、「これ歌います!」と宣言。
学内演奏会で歌いました。
で、表立っての目玉はシューマンの女の愛と生涯です。
実は前までシューマンの歌曲ってあまり好きではありませんでした。なんかおもしろくないと思っていました。
しかし、日本に住み始めてしばらくしてから、なぜか心が導かれまして
この歌曲集を歌うことにしました。
ドイツ語を楽しめる曲です。歌いながら言葉を紡ぐ、ということができる曲です。
今になってシューマンの良さがわかりました。なんなんでしょうね。
共演ピアニストは南部由貴ちゃんです。
由貴ちゃんとは、留学し初めてまだ3ヶ月目ぐらいのとき、ウィーンの語学学校で出会いました。
それからウィーンを出て別の街に移ってからも、たまに近況報告をしあっていた仲間です。
彼女の出身地が私の大学時代を過ごした鹿児島だということ、そして私の副科ピアノの先生が彼女の幼少期からのピアノの師匠だったというまさかの偶然でつながった縁でもあります。
音楽でつながってる人間関係、すごいね。
このプログラムを歌い終えたとき、泣いちゃわないか心配です。
昨日、コレペティとの練習で4時間このプログラムに取り組み、最後の1時間で通し稽古だったわけですが
自宅に帰ったら夜空っぽ人間になりました。
それくらい全てを注ぎ込んだプログラムです。
乞うご期待!