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執筆者の写真藤田真有

オーストリアに帰ってきました



普段国外に行くことが比較的自由な私たちにとって、飛行機も飛んでいない、入国拒否措置が取られている、陸続きのヨーロッパで国境検査がなされている、など普段なら信じられない状況です。


私たちにとって最も行きやすい国の一つである韓国にも、普段ならパスポートだけ持っていけば入国できますが、今は観光ビザ停止措置が取られているので、そのまま入国ができない。


まるで、戦争だったらこういう状況になるんだろうなというような気分です。


私は冬季巡業のため昨年末に日本に入りました。予定では4月に桜が終わるのを見届けた頃にオーストリアに戻る予定でいました。


2月の頭に日本でコロナにかかる人がポツポツ出てきた頃は、まだアジアの病気というような風潮でしたが、3月に入るとヨーロッパでも広まりだして。


ちょうど2月末から3月頭にかけてイタリアから同僚が来日して一緒に仕事して、その時はまあマスクはしてはいても普通に対面で仕事もできて、行き帰りの飛行機だって制限なく飛んでいた。


その比較的すぐ後から、ヨーロッパでのシェンゲン域外からの入国制限措置や国境復活の話が出てきて、日本からの飛行機も続々欠航が決まった。


私は3月末に友人の結婚式のために韓国へ行くことにしていたんだけど、友人は結婚式を延期し、それでも私は遊びに行こうと思っていたけどそもそも飛行機が欠航になった。



4月14日にとっていたインスブルックに戻る飛行機も欠航になった。



その頃からオーストリアでもイタリアでも、外出禁止令が出て私の会社も原則在宅勤務となっていたため、私はヨーロッパへ戻るのをゴールデンウィーク後に延期した。



3月中旬までは、仕事も滞りなくできたんだけど、それ以降はなかなか人に会いづらい状況になってしまって私もほとんど在宅勤務になった。


そんな折祖父が急逝し、青森へ行った。火葬、葬儀で1週間を過ごした。


4月に入り、滞在先の長野県内でのみ仕事の訪問ができた。それ以外は在宅勤務だった。



音楽活動に関しては、コロナが流行りだした2月の鹿児島のコンサートは、マスクをしている人が多かったけれどもそれでも無事開催できた。お客様もたくさんいらっしゃった。


2月末になって政府が色々言い出してから、周りの音楽家の演奏会などがことごとく中止になっていった。


3月中旬に予定していた演奏会も、集客のことを考えて延期することに決めた。形として開催できたとしても、お客さんが来ないと赤字だし意味がないからだ。


その頃はまだ、4月になれば状況はよくなるんじゃないかと思っていたので4月に立て続けに予定していた演奏会は中止と言うことにはしなかった。



しかも4月に入る頃、状況がどんどん悪くなっていっていよいよ厳しくなってきたので両方とも延期を決めた。どんどんモチベーションを失ってしんどかった。



飛行機の欠航はずるずると先まで続いていって、私のゴールデンウィーク後に予定されていた便も欠航になった。しかしこのまま飛行機の復帰を待っていたら何ヶ月たっても戻れないんじゃないかと思い、やはり拠点に戻れないのは嫌なので経路を変えて戻ることにした。


基本的に入国拒否になっているけど、私はオーストリアの長期滞在許可証を持っている。そう言う人間は市民としてカウントされるので、部外者ではない。フランクフルトでの入国審査でも、それを見せることで問題なく入国できた。


ミュンヘンから陸路でオーストリアに入ったので、国境では検査があった。スイスとイタリアの間とかは検査があるけど、それと同じ感じ。


普段より長い時間をかけて何とか戻ってから、もう1週間経つのか。

自宅隔離の期間中だけど、時間は無為に過ぎていく。意外と早く。


それでも早く人に会って話して、出かけて遊んで旅して、そんな日常が始まって欲しいと思います。みんなそう思ってると思うけど。


オーストリアに戻ってこれたことで、会社に戻って働ける日までは後少し。日常が復活するまで後少しです。

残念ながらオペラはすでにシーズンを終えてしまったらしく、コンサートとかはまだしばらくはやらないんだろうな、と思います。人が大勢集まるから。



私の演奏会の延期後の日程も、そろそろ決めていきたいな。まだ前を向いて先のことを計画していくことが難しい状況だけど、どうしたもんですかね。


楽しいことを考えて過ごしていきたい!

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