4月に会社の面接へ行った際、滞在許可証について一番不安を感じているということを伝えました。
労働許可付きの滞在許可はなかなか降りないと、周りの人たちにちょっと脅されて(と言ったら大げさだけど)いたので。
私の働く事業所は、世界中に展開している企業の本社にあたり、実は私は本社で働く初めての”第3カ国(ヨーロッパ連合国以外の国籍を持つ)の外国人”ということで滞在許可のお世話も会社の総務にとって初めてのことでした。
私の申請するカテゴリーは、Rot-weiß-rot-KarteのSonstige Schlüsselkräfteという枠です。
申請の可か不可かはポイント制になっていて、学歴・語学能力・就労経験・年齢(若いと高得点)による点数の合計が基準に達していないといけません。
会社の総務の人が役所と連絡を取ってくれて、申請もしてくれるということだったので、必要書類を全部コピー渡して面接を終えました。
しかし数日後、確認したところやはり自身で申請をする必要があるということで、もうすでに就労予定地を去っていたし書類も欠けていたので、一度日本に帰国してからオーストリア大使館で申請することにしました。
2011年に作ってずっと使っていた戸籍抄本の翻訳+アポスティーユ付き
会社と自分のサイン入りの労働契約書と労働内容を記した書面(給与や保険についても記載あり)
大学の卒業証明書
ドイツ語能力証明書(2012年に取ったTastDaFの証明書)
オーストリア大使館商務部のボスに書いてもらった推薦文
写真とパスポート
※都内での住民票も訳してもらってアポスティーユつけたものを用意しましたが、要りませんでした
犯罪経歴証明書はいわゆる渡航証明と言いますが、グラーツでは必要なかったのでどうかなーと思っていたら、インスブルックでは必要でした。
都内在住の場合、霞が関の警視庁で申請し、2週間後に受け取ります。
受け取ったら、外務省の申請窓口でアポスティーユを申請します。
東京は本当に便利・・・これが同じ敷地内(門は別だけど)で完結するんだから!
2011年に愛知で書類を揃えた時は本当に煩雑だった!
4月末に予約を取ろうとした段階で、6月の予約しか空いていませんでしたが、その後も逐一チェックしていたら、幸運なことに5月23日の予約が取れました。
5月8日に帰国し、すぐに犯罪経歴証明書を申請し、2週間かかるのでちょうどいいタイミングでした。
5月23日 オーストリア大使館で申請
予約した時間に大使館へ行き、必要書類を提出しました。書類を監査してくださるのは、商務部で仕事をしていた時にもよく顔を合わせていた方です。
「ウィーン以外は比較的スムーズに通ると思いますので、7月の渡航までには間に合うと思います。Dビザが必要かどうかなども、様子を見ましょう」ということで、私も比較的楽観視していました。
しかし6月が終わる頃になっても連絡が来ません。
大使館の方と電話し、直接インスブルックの市役所に問い合わせてみました。
個人情報保護の観点から、会社の人が問い合わせてもダメだったので自分からメールしました。
7月4日 渡航日程を2週間先延ばし
もともと7月15日から就業予定で、14日に飛行機を取っていましたが、問い合わせに対してインスブルックの市役所の移民課は「6月26日に我々は申請をAMS(労働局)に送った。彼らの処理には8週間の猶予期間があり、まだ返事は来ていない」とのことでした。
夏だということもあり早くなることはないと判断し、日本からの出発が8月4日になりました。
8月4日 インスブルックへ渡航
8月4日にインスブルックについて、住民登録をしたり、銀行口座を新しく開いたり、勝手がわからない新しい地に慣れようと最初の一週間を過ごしました。
何人か新しく人に知り合って滞在許可の話をしたら、「直接AMSに行ったらいいじゃない」と助言されました。
しばらく日本でぬくぬくしていたせいで”直接投降する”という姿勢をすっかり忘れていました。確かにその通りだなと思い、行ってみました。
8月12日 AMSに投降
インスブルックのAMSには二箇所あり、一箇所は日本でいうハローワーク的な部門。もう一箇所が外国人担当でした。
外国人就労担当の階に行き、何人かの担当者の部屋があって、私の申請を管理している人のところへ行ったら、
語学の証明が古い とか
TestDaFはゲーテの試験みたいにレベルがわからない などと言い出し、
埒が明かないけどここで引き下がったら負けだ!と私が食い下がって色々説明していたら、
他の同僚のところへ質問に行き、その人が言うにはオーストリアの大学へ通っていたと言うことがすでにドイツ語能力の証明になるとのことでした。そうしたら、私の出身大学に”授業の言語がドイツ語だったと言う証明を出してもらえ”と言われたので、母校に連絡しすぐに書類を用意してもらいました。
8月13日 母校からの証明をちゃんと読みましたかと駄目押し投降
翌日もう一度AMSに行きこれでいいかどうか確認し、そこで初めて次のプロセスに進みました。
じゃあいつカードがもらえるのか聞いたら、「最低でも3週間はかかる」と言うのです。なぜかと言うと、担当者が次のプロセスに送った後、別の部署がオーストリア国内にすでに私と同程度の能力を有する且つ労働許可証をすでに持っている人物がいるかどうか審査するとこのことでした。その後、8月27日の全体会議で私が許可をもらえるかどうか審議されると言うことでした。どうやら、その審議は月に一度ぐらいしか行われていないようでした。
審議の翌日の8月28日に直接AMSに来れば、結果を口頭で教えてくれるとのことでしたので、2週間以上の間却下されるのではという不安の中過ごしました。この期間の精神状態が一番ひどく、食欲も落ちるしネガティブ思考に陥りました。
8月28日 運命の審議結果通知日
その日が来て行ってみると、結果はポジティブだったということでひとまず安心しました。また申請がAMSから市役所に送り戻されるプロセスに入ることになり、その日が水曜日だったので、翌週の火曜日か水曜日に市役所へ行ってみなさいと言われました。
9月3日 市役所の移民課へ
言われた通り9月3日に市役所に行ってみたら、まだAMSから書類が戻ってきていないということでした。そこで、カードをウィーンに注文するのでAMSから書類が来てから1週間はかかると言われました。今日明日には市役所に書類が届くはずだから、来週ここに(市役所に)電話してみなさいと電話番号を渡されました。私は、すなわち次電話した時には直接受け取り準備ができているかどうかだけの話だと思い、翌週9月9日に電話してみたら「もうインスブルックに住んでいるのか?Meldezettelを持ってきなさい」と言われ、その足ですぐに提出しに行きました。
9月9日 住民票を提出しに市役所へ
前の週にすでにカードが発注されていたものと思っていたので拍子抜けでしたが。 そこで「じゃあ今からカードを注文しよう」となったのですが、そこで初めて「パスポートの有効期限が後1年しかないから本当だったら2年有効のRot-weiß-rot-Karteを1年しか出せない。そうすると来年もう一度初回申請しないといけなくなる。パスポートをすぐに更新することはできないか?」と言われました。 またこの煩雑な時間のかかる申請を一からするのは考えられない!
その場で(市役所の担当者の目の前で)ウィーンの日本大使館に電話し、まだ一年ちょっと有効期限が残っているパスポートだけど、更新できるか?すぐに発行してもらえるのかと聞きました。
会社の人とも電話し、パスポート更新するしかないでしょう!ということになりました。
その日の夜中 夜行電車でウィーンへ
その日の夜中の電車でウィーンへ行きました。インスブルックからウィーンは空路もありますが当然高い。電車だと最短4時間半弱ですが、夜行が安かったので。
ウィーンの日本大使館では遠方の人に限り、パスポートや証明書類は当日発行してくれます。ミュンヘンの方が近いのでそちらでできれば・・・と思いましたが、ミュンヘンの日本大使館では1週間かかってしまうということでしたので、ウィーンに行きました。
9時の開館を待って申請書類を提出し、無事に15時には受け取ることができました。
前のパスポートの有効期限が2020年の9月15日までで、丸々一年短くなってしまいましたが・・・そしてキリの悪い2029年更新になってあんまり気に入ってませんが!
その日のうちにインスブルックに戻りました。
9月11日 新しいパスポートを持って市役所へ
翌日9月11日に市役所へ行き(こんなに早くもらえたのかと驚かれました)そこでカードを注文してもらいました。あとは受け取るだけ!でもそれまでが大変だったのであまり安心できず。
「来週の月曜日には来ると思うけど、念の為火曜日に来てくれ!」と言われました。
9月17日 カードを受け取りに市役所へ
今日受け取ってきました。カード発行代として40ユーロ必要でした。
見た目は普通の滞在許可証、なんなら学生の時のカードと色調も同じですが、記載項目が違います。カードは2年有効で、2年後はRot-weiß-rot-Karte Plusに更新されます。
その時に、同じ会社で22ヶ月以上ちゃんと就労したかということが確認されます。
更新手続きは何も煩雑なことはない、とのことですが、どうでしょう。
ということですごく長くなりましたが、ここに至るまで会社の人が電話しても個人情報の関係で本人にしか回答できないと言われたので、全て私が行って交渉しました。
AMSには3回、市役所には4回行きました。
何もせずに日本で待っていたら、きっともっとかかっていたと思います。
大変ではありますが、現地で何回も足を運んで係りの人を急かすということが必要みたいです。やっと来週から仕事が始められることになりました。
外国で働くって、やっぱり一筋縄じゃいきません。
長くなりましたが、ご一読いただきありがとうございました。
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